コラム 「運動量」と「エネルギー」は兄弟?その2
上で、エネルギーと仕事の関係と、運動量と力積の関係を見ました。確かに似ていますが、これだけでは兄弟とは言えないかもしれません。
しかし、実は、これらは生まれもとても似ているのです。
突然ですが、我々は4次元の中に住んでいます。空間3次元と時間1次元です。
改めて仕事$W=\overrightarrow{F} x$と力積$\overrightarrow{I}=\overrightarrow{F}\times \Delta t$をながめてみましょう。どちらも力$\overrightarrow{F}$から生まれています。そしてその力$\overrightarrow{F}$に対して、仕事は空間$\overrightarrow{x}$を掛けており、力積は時間$\Delta t$を掛けているのです(積分という言葉が苦でなければ、仕事は空間で積分しており、力積は時間で積分しているということができます)。
我々が住む4次元のうち、空間を掛けるか(空間で積分するか)、時間を掛けるか(時間で積分するか)という差なのです。いかがでしょうか。兄弟に見えてくるのではないでしょうか。
蛇足ながら、仕事はベクトルとベクトルを掛け算してスカラーになっています。一方で力積はベクトルとスカラーを掛け算してベクトルになっています。それゆえ、仕事やエネルギーはスカラー、一方、力積や運動量はベクトルになるのです。
この兄弟の一番の大きな違いはスカラー、ベクトルの違いだと思います。意識しておいてください。
運動量保存則 目次
2.2.「物体の運動量の変化は、物体が受けた力積に等しい」とはどういうこと?
コラム 「運動量」と「エネルギー」は兄弟?その2(⇐今ここ!)
3.1.運動量保存則はなぜ成り立つのか?