保存量2 運動量保存の法則
運動量保存則 目次
はじめに(⇐今ここ!)
2.2.「物体の運動量の変化は、物体が受けた力積に等しい」とはどういうこと?
3.1.運動量保存則はなぜ成り立つのか?
本単元では、「力積」や「運動量」と呼ばれる量を扱います。分かりにくい量ですが、まずは定義を見てみましょう。これらは次のように定義される量です。
力積$\overrightarrow{I}$〔N・s = kg m/s〕:物体が受けた力と力を受けている時間との積
$\overrightarrow{I}=\overrightarrow{F} \times \Delta t$
運動量$\overrightarrow{p}$〔kg m/s〕:物体の質量と速度との積
$\overrightarrow{p}=m \times \overrightarrow{v}$
なかなかイメージが付きにくいかもしれません。イメージが付きにくい量だと、計算式も頭に入りにくいかもしれません。なぜこのようなイメージの湧かない量を考えるのでしょうか?それはこれが、自然が持つとても汎用的・根本的な法則だからです。そして、もう1つには「便利だから」です。
今まで物理で学習してきた内容を思い出すと、例えば運動エネルギー$1/2mv^2$や弾性エネルギー$1/2 kx^2$などといった、一見よく分からない量を学んできました。個々のエネルギーを計算することには意味が見いだせなくとも、「エネルギーが保存する」という事実(←もしくは自然の性質)はとても便利だったと思います。
実は、のちに見るように、運動量も「保存量」の1つです。「エネルギー保存則」と同様、「運動量保存則」もとても便利なものなのです。
この単元では、「運動量」と「エネルギー」をなるべく対比させながら学習を進めていきましょう。「運動量」の便利さと共に、「エネルギー」との関係にも着目してください。「運動量」と「エネルギー」が兄弟のように見えてきたとき、「運動量」の単元がきっと得意になっていると思います。
準備(復習)
本単元では2つの物体の衝突を扱うことがあります。2つの物体が出てくるときには、必ず作用反作用の法則が顔を出します。
作用反作用の法則
二つの物体A、Bがあり、
物体Bを物体Aが押しているとき、必ず、
物体Bが物体Aを同じ大きさで反対向きに押している
両手の手のひらを胸の前で合わせ、右手で左手を押すと、左手も右手を押しているというものです。これは、静止している場合に限りません。二つの物体の運動の様子には関係ありません。
例えば、台車Aが静止している台車Bにぶつかるときも、作用反作用の法則は成り立ちます。つまり、台車具体的には、理科実験機器を扱う会社のナリカさんが動画で紹介しているので見てみて下さい。